病院のカルテに記載される内容とは?
カルテとは、医師が診療を行った際に患者の病状や治療内容などを記録する文書のことで、医師法によって記載義務が定められており医療の質や安全を確保するために重要な役割を果たしています。
このカルテには、最低限4つの内容を記載しなければなりません。
まず一つ目は患者の基本情報で、具体的には氏名・性別・年齢・住所などの個人情報や、既往歴・家族歴・社会歴・嗜好・アレルギー・内服歴などの医療に関係する情報が含まれます。
二つ目は現在の症状です。
患者が訴える主な症状や、発症時期や程度などの詳細な情報が記載されるのですが、本人だけでなく家族や施設職員などから得られる情報も含まれます。
三つ目は、診察や検査によって得られた客観的な情報です。
身体所見は視診・触診・聴診・打診などによって観察された患者さんの身体状態で、検査結果は血液検査・尿検査・画像検査などによって得られた数値や画像になります。
四つ目は、患者の病名や診断の根拠、治療方法や目的、今後の経過観察や予後などの情報です。
診断や治療方針は、患者の症状や身体所見や検査結果などから導き出される医師の判断になります。
なお、カルテに記載する際には、一般的には「SOAP」という記録方法が採用されています。
この「SOAP」というのは、「Subject(主観的情報)」・「Object(客観的情報)」・「Assessment(評価)」・「Plan(計画)」の順に体系立てて診療の情報を記載する方法で、これに従うことでわかりやすく、抜け漏れのない内容になります。